今、なぜプログラミング教育か?

 この20年で、インターネットにアクセスできるパソコンやスマートフォンが一気に普及し、常にインターネットに繋がっているのが当たり前の時代になりました。IoT(Internet of Things:モノのインターネット化)、AI(人工知能)だけでなく、AR(拡張現実)、FinTech(Financialtechnology:フィンテック)、ロボットなど、ICT(Information and CommunicationTechnology)の分野は、私たちの生活を大きく変えていく可能性を秘めています。
 この情報革命あるいは知識革命と呼ばれる社会構造の転換は、実社会で求められる人材の資質や能力をも変え始めており、時代の変化に伴う人材の育成は不可避な課題となっています。
 2020年にはプログラミングが義務教育過程でも必修化されるなど、コンピュータ・サイエンスを学ぶ重要性は、ますます高まっています。

科学実験教室から生まれた「プログラミング×ものづくり」教室

サイエンス倶楽部 プロ・テック倶楽部は、科学実験教室のパイオニア「サイエンス倶楽部」から生まれました。
サイエンス倶楽部は、「自然科学教育を通して、未来を担う子供たちの創造性、社会性をはぐくみ、社会的価値を最大限に発揮できる人材を輩出する」ことを理念に、四半世紀にわたり、科学実験体験を通じ「知見を深める教育」、「応用・実践するための知恵を身につける教育」を行ってきました。
 近年では、回路やセンサーなどと簡単なプログラミングを組み合わせた実験を多く行うようになり、それらの実習にご参加いただいたお子さまからは「もっとやってみたい」というお声を、保護者さまからは「もっとやらせてみたい」というご要望をいただくようになりました。
そこで、科学実験教室「らしさ」「ならでは」を生かし、物理や数学的要素をふんだんに盛り込んだ「プログラミング×ものづくり」教室として、プロ・テック倶楽部をスタートするに至りました。

プログラミング「を」学ぶのではなく、プログラミング「で」学ぶ

 「プロ・テック倶楽部」は、プログラミングができる人材の裾野を広げることを目的としていません。プログラミングを通じて、創造力や論理的思考力、問題解決能力など、実社会で求められる能力・資質を育くむことこそが、真の目的です。
 「ものづくり×プログラミング」教室では、ゲームやアプリ、WEB系といったバーチャル空間のプログラミングではなく、実在するモノに息吹を吹き込むためのプログラミングを行います。そのため、さまざまなセンサーやギアなど、モノを動かすために必要な知識についても体験を通して学んでいきます。

目指すは、「21世紀型能力」の育成

 学校で学んだ知識をそのまま使って解決できる問題が少なくなってきている世の中では、「何を知っているか」という知識の習得をゴールとする学びではなく、「実社会や実生活において、いかに知識や技能を活用して問題が解決できるか」ということを学ぶための教育への転換が志向されています。この流れのなかで登場したのが「21世紀型能力」です。
 「21世紀型能力」とは、「生きる力(知識や技能の習得に加え、それらを活用するために考える力、社会や他者とのかかわりの中で考えたことを実践する力)」として必要な資質・能力を定め、それらをどのようなかたちで教育目標や教育内容に落とし込んでいくかという、今後の教育課程の方向性を示唆するモデルとなっており、国立教育政策研究所によって提唱されました。
21世紀型能力

プログラミング教育から得られる21世紀型能力

観 点 身につく能力 具体的には
知る=基礎的な力 言語、数、情報(ICT)を使いこなす力
  • コンピューター言語の習得だけでなく、コンピューターの性質や原理に対する理解が深まる。
  • プログラミングの過程で発生する数学的知識、ものづくりの過程で発生する物理的知識が習得できる。
  • プログラミングの過程で不明点を調べたりするため、情報検索能力の向上など、情報利活用能力が向上する。
考える=思考する力 創造する力
  • 作品制作を通じて、作りたいものを実現するという創造力が向上する。
  • ものを作り出す面白さを実感させることで、更なる創造性が向上する。
課題を発見する力・解決する力
  • プログラミングは結果がすぐにわかり、改善点が明確であることなどから、トライ&エラーを繰り返しやすく、課題発見力・解決力が身につく。
論理的に考える力
  • フローチャートの作成やプログラム構想の作成、それらに基づいてプログラミングするというプロセスにおいて、俯瞰的に考えたり順序立てて考えたり、仕組みを考えるなど、合理的・論理的な思考力が向上する。
メタ認知力
  • メタ認知力とは自分の思考や行動を客観的に認識する力。同じ目的のプログラミングでも、その書き方は人それぞれ。自分のプログラミングと他人のプログラミングを比較し、自分の考え方や思考を客観的に認識できる。
行動する=実践する力 コミュニケーション力
  • プログラミングの過程で、仲間同士で教え合い、学び合いをすることによってコミュニケーション力が向上する。
  • 成果をみんなの前で発表することによって、表現力が向上する。
活動力
  • プログラミングという活動自体が子どもたちにとって楽しいものであるため、子どもは積極的に活動に取り組む。
  • トライ&エラーを繰り返しながら作品を完成させるというプログラミングの特性から、忍耐力、集中力が持続し、学習意欲が向上する。

プログラミングの学びは問題解決への第一歩

 プログラミングはフローチャートの作成などを通じて、論理的な思考を育てることができます。また作ったものにプログラムを書き込み、実際に動かしてみるとさまざまな問題が生まれますが、自分の作ったものだけに「辛抱強く」思考錯誤を続けます。そこで問題発見の力や問題解決する力が養われるのです。
プロ・テックサイクル

互いに教えあって解決の糸口をつかむ

 困ったときは講師がすぐ教えるのではなく、仲間同士の教え合いや学び合いで解決するように仕向けています。課題に対し、お互いの考え方を伝え合っていくことで、コミュニケーション能力が育まれます。